不正競争防止法

 不正競争防止法とは、限定列挙された不正競争行為がなされた場合に、その不正競争行為によって営業上の利益を害された者又は害されるおそれがある者が、その不正競争行為を行った者に対してその不正競争行為の中止を求め又は損害賠償の請求等を行うことができること等を規定する法律です。
 前記不正競争行為のうち代表的なもの4つについて以下に簡単に説明します。




 例えば、他人の周知な(よく知られている)会社名と同一又はよく似ている名称を自分の会社名にして使用した場合には、実際に営業している業種が近ければ、不正競争行為になり得るということです。
 この周知であることは、一地域でもよく、例えば大阪市内でよく知られていれば、第三者が大阪市内で周知な(よく知られている)会社名と同一又はよく似ている名称を使用することを排除することができます。
 他人の周知な会社名や商標名等と同一又はよく似ているものを自己の会社名や商品又はサービスの提供等に使用すると、周知な会社名等を有する会社が実際に営業している業種に近ければ、その使用行為が不正競争行為になる可能性がありますので、その使用の前に是非とも一度ご相談下さい。





 例えば、他人の著名な(日本人であれば誰もが知っている)会社名と同一又はよく似ている名称を自分の会社名にして使用した場合には、著名な会社名の会社が行っている実際に営業している業種と異なる場合でも、不正競争行為になり得るということです。
 著名な会社名としては、例えば「JAL」「SONY」等があげられます。
 他人の著名な会社名や商標名等を自己の会社名や商品又はサービスの提供等に使用すると、著名な会社名の会社が行っている実際に営業している業種と大きく異なる場合でも、その使用行為が不正競争行為になる可能性がありますので、その使用の前に是非とも一度ご相談下さい。





 例えば、他人が新製品を販売した場合に、その新製品がよく売れていることから、その新製品とほぼ同一の製品を販売した場合には、その他人の新製品の販売から3年以内は、特許権や意匠権がなくても、不正競争行為となり得るということです。
 よく、製造メーカーが得意先からこれと同じ製品を製造してくれと頼まれるケースがありますが、他人の新製品に例え特許権又は意匠権がなくても、ほぼ同一の製品を販売すると、この不正競争行為に該当することになります。このような場合には、是非とも一度ご相談下さい。





 例えば、製品を製造する場合には、設計図面が必要だと思います。この設計図面がその会社によって適切に秘密管理等なされていた場合に、その会社の従業員が勝手にその設計図をコピーし、他社にそのコピーを売った場合、それらの行為が不正競争行為となり得るということです。そのような行為は、場合によっては刑事罰の対象にもなります。
 判例上は、秘密管理がどのようになされていたかがかなり厳しく検討される傾向にありますので、会社側としては、前記設計図のような営業秘密については形式だけではなく、実質的に秘密管理を行っておく必要があると思われます。